誇り高き添え物 パセリ

雑記

唐突ですがエッセイ書いてみました。

食事が終わった皿の隅に、ひときわ鮮やかな緑が残っている。そう、あの定番の「添え物」パセリである。

パセリはどんな思いでお皿にちょこんと座っているのだろう。

同じお皿に盛られたお肉がヒョイっと選ばれ、次にトマトが選ばれ、さあ次は自分の番だ。と思いきや、食事終了。

あれ?僕は…?

誰からも見向きもされず、まるで最初からそこになかったかのように片付けられるパセリ。

分かってる。それが自分の役回りなんだと。自分はあくまでも引き立て役。居てくれると便利だけど、選ばれることはないのだと。

それでいいのだ。自分はプロの「添え物」だ。添えられるのが仕事なのだ。

しかしなぜパセリなんだろう。彩りとするなら同じ緑色のブロッコリーでもいいだろうに。ブロッコリーなら食べる人いるだろうに。

そもそもパセリ農家さんは添えられることを前提にパセリを育てているのだろうか。いや農業は大変な仕事だ。そんな悲しい運命の為に手間暇かけて育てているとは思えない。

実はパセリは非常に栄養価の高い緑黄色野菜なのだ。

(可食部100g中)
β-カロテン…7,400μg
ビタミンK…850μg

これは野菜の中でもトップクラス。

ビタミンKは骨の健康や血液凝固に必要な栄養素です。

他にもビタミンC…120mg、葉酸…220μg、カリウム1,000mg、カルシウム290mgなど盛りだくさん。

また独特の清涼感のある香りは香草(ハーブ)として機能する。口臭予防、食欲増進、食中毒予防効果などがあるとされている。

さらにパセリにはルテオリンやアピゲニンなどのポリフェノールが多く含まれており、抗炎症・抗酸化作用があるとされているのだ。

調理せず生で食べられるため栄養の損失も少なく、手軽に使えるのも魅力である。

なんだコイツ。スーパフードじゃん。

ただしパセリは栄養が濃すぎるため、過剰摂取すると健康に影響が出る可能性があり、1日3房(3g程度)までが適量らしい。

濃すぎるのも考えものだな。しかし逆に言えばこの物価高の時代、少量で必要な栄養がとれるコスパのよい野菜と言えるだろう。

飲み会の席でビールついだりサラダ取り分けたり皆の注文とりまとめたりと仁義なき気が利くアピール合戦真っ最中の中、誰からも相手にされないパセリを黙って食べている人がいる。

「貧乏くさいなあ」

言いたい人には言わせておけばいいさ。本物の実力者は本当に価値のあるものを知っており、いつだって寡黙なのだ。そうだよな、パセリ。

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